
カナの婚礼
| 「カナの婚礼 / Les Noces de Cana」 ヴェロネーゼ作 1562-1563年頃 <ドゥノン翼・2階> |

「カナ」とは地名です。イエスが育った街、ナザレの北に位置します。このカナで婚礼が開かれました。イエスとマリヤも出席していました。一週間ほど続く婚礼の途中で、葡萄酒がなくなってしまいます。葡萄酒がなくなるということは、招待する側にとって、大変恥ずかしいことでした。
イエスは樽に満たされた水を葡萄酒に変えるという、最初の奇跡を行いました。
「カナの婚礼」は、この聖書の一場面を描いた作品で、ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ修道院の食堂を飾るために、発注されたものです。その後1797年、ナポレオン軍の北イタリア侵攻の勝利によって接収されました。額からはずし、ぐるぐると丸められ、マルセイユを経由してパリまで船で運ばれたそうです。
ナポレオン失脚後、交渉によって幾つかの芸術作品が返還されましたが、この作品はパリに残りました。
この作品の大きさは、縦6.7m、横9.9m。平米数になおすと66平方メートル。今私が住んでいる部屋の総面積より広いです。
巨大な絵画を多数所蔵するルーヴル美術館の全ての作品の中でも最大の大きさで、2番目に大きいとされる「ナポレオン一世の戴冠式」(6.3×9.7m)を若干上まわっています。このサイズになると、感覚としては ほとんど、絵というより「壁」です。この作品をヴェロネーゼは15ヶ月で完成させたそうです。
仮に、例えば「ルーヴル美術館展」のような展覧会をどこか日本の美術館が実施したとしても、このような巨大な作品は、まず来日することはないと思います。おそらく、現地でしか鑑賞できない作品と言ってよいでしょう。「ルーヴルで一番大きい絵」というだけでも、見る価値充分です。

ちょうど絵の真ん中あたり、後光が差しているのがイエス様です。
結婚式らしく、華やかな装いをした大勢の人が描かれています。食べる人、飲む人、楽器を演奏する人、と実に賑やかです。
イスラエルには、「葡萄酒がないなら喜びもない」ということわざがあるそうです。普段から人々はよく葡萄酒を飲んでいたそうですが、人の集まる席、それも結婚式ともなれば葡萄酒は不可欠です。その結婚式で葡萄酒がなくなる、というのはあってはならない事態だったわけですね。

「モナリザ」や「カナの婚礼」がある展示室内です。この2点以外にも両側に多くの作品があります。でもやっぱり、「モナリザ」に直行直帰の人が多いようです。
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