
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
| ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 1593-1652年 <シュリー翼・3階 展示室28 > |
2009年春に、東京上野の国立西洋美術館で開催されていた「ルーヴル美術館展」では、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作「大工のヨセフ」が注目の作品として大きく扱われていましたね。
遡って2005年春には、同じく国立西洋美術館で「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展」が開かれています。私がジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品を初めて見たのはこの時です。代表作「いかさま師」が発していた強い存在感は、今でもよく覚えています。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの現存する作品は極端に少なく、残った作品にはキリスト教的宗教観をベースにしたものが多いのですが、その割りに、なぜか日本でも人気のある画家です。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593-1652)は、フランス・ロレーヌ地方のヴィック=シュル=セイユという街で生まれました。17世紀前半、画家として成功を収め、人気も得ていたようですが、その後この地方を襲った災害や戦乱により、作品の多くが失われ、画家本人の軌跡も途絶えてしまいました。20世紀になって作品が再発見されたものの、画家の生涯についても 作品についても、不明な点が多いといいます。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールのこのような略歴を聞くと、別のある有名な画家を連想しませんか?そう、生前一定の評価を得ながらも、没後に一旦美術史上から姿を消し、約200年経ってよみがえった「フェルメール」となんとなく事情が似ていますよね。
一度は歴史の影に隠れ、現代になってその作品が注目を浴びている点がまずひとつ。それから、画面に少ない人物を配した静的な作品のイメージも似ています。フェルメールはどちらかといえば「光」、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは「闇」の方に焦点を当てているように感じますが、どちらにしても、劇的な光の効果を表したという点にも重なるものがあると思います。
両者とも、その謎めいた背景が何か人を惹き付ける要素のひとつにもなっているような気がします。
現在、ヴィック=シュル=セイユには、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの美術館があります。フランス人でも美術好きな人でなければ訪れないというその静かな美術館に、日本人は団体でやって来て、来たと思ったら あっと言う間に去って行く、というエピソードを、以前ラジオフランス語講座のフランス人講師が話していたのを覚えています。
ルーヴル美術館には、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品が6点あります。(私が昨年訪れた時には、5点しかなかったのですが。)
人気作品が集中するドゥノン翼ではなく、比較的すいているシュリー翼(しかも3階)に、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの部屋が設けられています。
おそらく落ち着いて見学できると思いますので、ぜひ行ってみて!
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大工の守護聖人である聖ヨセフが、幼子イエスの前で梁に穴を開けている場面。
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聖イレネに介抱される聖セバスティアヌスSaint Sebastien soigne par Irene (1649年頃) ショルジュ・ド・ラ・トゥールの作品の中で、場面が屋外であることが確定している唯一の作品として、重要視されています。 セバスティアヌスは、ディオクレティアヌス帝の時代に、ローマの軍人でした。皇帝にはキリスト教徒であることを隠していましたが、友人のキリスト教徒が処刑されそうになったとき、助けたことがきっかけで、自身がキリスト教徒であることも発覚して、矢を射られてしまいます。 |

羊飼いの礼拝/
L'Adoration des bergers
1640年代 真ん中にいる赤子は、イエス・キリスト。新約聖書のキリストの降誕を礼拝する場面で、西洋の絵画を見ていると、時々出会うテーマです。マリア(画面左)とヨセフ(画面右)、天使から救世主の誕生を告げられてやって来た3人の羊飼い達(真ん中の3人)が、キリストを囲んでいます。 キリストだけを明るく照らすスポットのような灯りと、周りの人物の顔をぼんやりと浮かび上がらせる光の表現に注目です。単に「光が有る・無い」、または「明るい・暗い」ではないのです。奥行きのある光の表現は、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作品が持つ大きな魅力のひとつです。 |

ダイヤのエースを持ついかさま師/Le Tricheur à l'as de carreau 1635年頃
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| この目つき・・。能面のような白い顔。 | 何やら怪しい手の動き。豪華な衣装。 |
| 【 展示室の様子 】 | |
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灯火の前の聖マドレーヌ
大工聖ヨセフ/Saint Joseph charpentier
聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス


