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アパルトマンでひとり暮らし(便座が冷たくて)


アパルトマンを借りてのパリ滞在は、私にとって初めての経験だった。

パックツアーでホテルを利用していたそれまでの旅行とは、用意していくべき持ち物が若干違っていた。出発前に、部屋を斡旋してくれた会社から、滞在中にあると便利な物のリストが送られてきた。キッチンで使う最低限の調理器具や、シーツ等の寝具類などは部屋に準備されているのだが、消耗品は自分で用意しなくてはならない。


何でも日本から持って行けば安心なのだが、荷物には重量制限というものがある。化粧水やシャンプーなどの直接身体に使うものは、重くても普段から使いなれているものを持っていき、それ以外の 現地で買えそうなものは、なるべく現地調達することにした。自分なりの基準に照らし合わせて、もらったリストを見ながらひとつひとつ検討する。中には、これってどうなんだろ?と疑問に感じるようなものもいくつか載っていた。


例えば、便座カバー。「温かい便座に慣れた日本人には便座カバーが必要です。便座カバーは日本では安価で簡単に手に入りますが、フランスではあまり売っていません。O型カバーをご持参ください。」などと書いてある。どうかな?と思ったけど、売ってないんじゃ現地調達もできないし。たまたま家に未使用のO型カバーがあるのを思い出したので、それを持っていくことにした。



パリへ到着し、部屋へ入り、もろもろの手続きを済ませて一段落し、トイレを利用して、そして納得した。

たしかに、 陶器製の便座はびっくりするくらい冷たい。プラスチックの冷たさとは、冷たさの質が違う。芯から冷たい、とでも言ったらいいだろうか。そういえば去年も滞在先のホテルで、便座が冷たいなぁと思っていたことを思い出した。

外出先ならともかく、毎日使う部屋の便座が ものすごく冷たいのは、身体にもあまり良くないだろう。さっそく、持って来た白いO型カバーを取り付けた。あぁ、ちゃんと持って来て良かった〜としみじみ思った。


スーパーやデパートのインテリア売り場を通りかかった時には、バス&トイレタリーコーナーもマメにチェックしていたのだが、結局 便座カバーは見かけなかった。無いことはないだろうと思うけど、手に入りにくいのは確かかもしれない。日本なら、100円ショップでも売っているというのに。

日本において、便座にカバーがかかっていない場合、それはすなわち「電気で温かくなっています」というサインだ、と解釈してもいいくらいに、温かい便座が普及している。
マドンナが以前来日したとき、日本に来ると温かい便座に感動するわ、とコメントしていたのを思い出した。

便座まで電気で温める国は、あまり無いのかもしれない。





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